診断の遅れと見過ごし
早期かつ正確に低ホスファターゼ症(HPP)を診断することで、症状を予防し、早期死亡を防ぐことができます1-3
診断の遅れと見過ごし
診断の遅れや見過ごしが、症状を悪化させ、生命を脅かす症状の一因となることがあります1,4-6
- 乳児においては、わずか数ヵ月の診断の遅れが決定的となり、生命を脅かすことがあります1,5
- 小児においては、数年の診断の遅れが報告されています7
- 患者報告調査によれば、成人期にHPPと診断された患者さんの43%(10/23例)が、小児期に症状を経験していました8,a
aHPP Outcomes Survey Telephone(HOST):電話による調査。HPP患者さん51例を対象として、人口統計学的データ、HPPに関連する病歴、疾患の進行、健康関連QOLを調査しました8
HPPが見過ごされ、適切でない治療が行われた場合、症状が悪化する可能性があります1,2,4,9
- 高用量ビタミンD、カルシウム製剤、ビスフォスフォネート製剤は、HPPの症状を悪化させることが報告されているため、HPPが疑われる場合には投与すべきではありません1,2,9
この症例報告では、見過ごしおよび症状が悪化する治療の危険性が説明されています
生後11ヵ月の男児
HPPと診断された生後11ヵ月の男児の症例報告では、栄養性くる病との推定診断により高用量ビタミンDおよびカルシウム製剤が投与された直後に、体重増加不全と大泉門膨隆が生じました1
確定診断までの時間が重要な因子です
診断の遅れが、衰弱性または生命を脅かす症状を引き起こしたり、悪化させることがあります。これらの症例報告で詳しく述べられているように、診断の遅れの期間は数ヵ月から数年までさまざまです
生後11ヵ月男児
栄養性くる病と診断され、カルシウムおよびビタミンD製剤の漸増投与による治療を受けた生後11ヵ月の男児;ALP活性は評価されず、適切でない治療により症状が著しく悪化しました。HPPと診断されたのは5ヵ月後でした1
9歳女児
骨折を繰り返し、骨痛の既往があり、歯の異常、数本の歯の早期脱落がみられる9歳の女児;15歳になり背部痛と脊椎骨折を起こすまで、HPPと診断されませんでした。臨床検査でALP値低下とALP変異が認められたため、HPPの診断が確定しました7
50歳女性
両側大腿骨疲労骨折を起こした50歳の女性が、カルシウム、ビタミンD、リセドロン酸を2年半投与された後、HPPと診断されました10
正確な診断
HPPの症状を有する患者さんにおいて、アルカリフォスファターゼ(ALP)活性の低下を確認することで、正確に診断できます4,9
- ALPの活性低下は、一般的な血液検査で確認することができます4,9
- HPP患者さんでは通常、ALP活性が年齢別基準値の正常下限値を下回ります4,9
- ALP活性は年齢別基準値や、施設検査室ごとの基準値に注意する必要があります9
一般的な血液検査によってHPPを早期かつ正確に診断することができます4,9
よくある見過ごし
References: 1. Mohn A, De Leonibus C, de Giorgis T, Mornet E, Chiarelli F. Hypophosphatasia in a child with widened anterior fontanelle: lessons learned from late diagnosis and incorrect treatment. Acta Paediatr. 2011;100(7):e43-e46. 2. Sutton RAL, Mumm S, Coburn SP, Ericson KL, Whyte MP. “Atypical femoral fractures” during bisphosphonate exposure in adult hypophosphatasia. J Bone Miner Res. 2012;27(5):987-994. 3. Cundy T, Michigami T, Tachikawa K, Dray M, Collins J. Phenotypic change in a patient with hypophosphatasia with the onset of renal failure. Paper presented at: 40th Annual Congress of the European Calcified Tissue Society (ECTS); May 18-21, 2013; Lisbon, Portugal. 4. Rockman-Greenberg C. Hypophosphatasia. Pediatr Endocrinol Rev. 2013;10(suppl 2):380-388. 5. Baumgartner-Sigl S, Haberlandt E, Mumm S, et al. Pyridoxine-responsive seizures as the first symptom of infantile hypophosphatasia caused by two novel missense mutations (c.677T>C, p.M226T; c.1112C>T, p.T371I) of the tissue-nonspecific alkaline phosphatase gene. Bone. 2007;40(6):1655-1661. 6. Whyte MP, Greenberg CR, Kishnani PS, et al. Fracture burden in children and adults with hypophosphatasia. Poster presented at: 39th Annual Congress of the European Calcified Tissue Society (ECTS); May 19-23, 2012; Stockholm, Sweden. 7. Moulin P, Vaysse F, Bieth E, et al. Hypophosphatasia may lead to bone fragility: don’t miss it. Eur J Pediatr. 2009;168(7):783-788. 8. Data on file, Alexion Pharmaceuticals. 9. Mornet E, Nunes ME. Hypophosphatasia. In: Pagon RA, Bird TD, Dolan CR, Stephen K, eds. GeneReviews. Seattle, WA: University of Washington, Seattle; 1993. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK1150/. Published November 20, 2007. Updated August 5, 2010. Accessed March 31, 2014. 10. Doshi KB, Hamrahian AH, Licata AA. Teriparatide treatment in adult hypophosphatasia in a patient exposed to bisphosphonate: a case report. Clin Cases Miner Bone Metab. 2009;6(3):266-269.