低ホスファターゼ症(HPP)とは?

低ホスファターゼ症(HPP)は、アルカリホスファターゼ(ALP)の活性低下によって引き起こされる、全身性の遺伝性代謝性疾患です1)。ALPの活性低下は、骨の石灰化障害によって、骨折や骨格系障害を引き起こすことがあります。また、疼痛や筋力低下、倦怠感などの神経系や筋肉の機能障害を引き起こす可能性もあります。

HPPの徴候や症状はどの年齢でも現れる可能性があり、骨粗鬆症、関節炎、線維筋痛症、偽痛風、あるいはリウマチ性疾患といった、他の疾患とよく似た症状を示すことがあります。

HPPの診断の鍵は「血清ALP値の低下」です2)。身体機能の低下、筋骨格系や関節の痛み、骨折、あるいは倦怠感といった臨床症状に加え、持続的な血清ALP値の低下を確認することが重要です。
適切に診断することで、不適切な治療や病気の進行を回避できる可能性があります。

HPP患者さんが感じていること

疼痛
(骨痛・筋肉痛・関節痛)

  • 小児HPP患者さん59例に対する調査の結果、86%が疼痛を感じており、36%において骨痛に対する投薬が必要でした(海外データ)3)
  • 成人HPP患者さん125例に対する調査の結果、95%が疼痛を感じており、69%において骨痛に対する投薬が必要でした(海外データ)4)

日本人の成人HPP患者さんに対するインタビューで得られた実際の声

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痛くない日は1日もありませんでした。常に「痛い」状態があり、そこから耐えられないほど「すごく痛い」状態になって、また少し戻る。その波の繰り返しでした。

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骨痛がありました。骨の「中心部」が痛いんです。冬場に足が冷え切った時のあの痛みが、ずっと骨の中で起きているような感覚で、思い出すのもつらいほどの激痛でした。

紹介する症例は臨床症例の一部を紹介したもので、すべての症例が同様な経過となるわけではありません。
成人HPP患者さんに対するインタビュー
(2025年12月11日実施)

筋力低下

  • 小児HPP患者さん59例に対する調査の結果、71%が筋力低下を感じていました(海外データ)3)
  • 成人HPP患者さん141例に対する調査の結果、17%が筋力低下を感じていました(海外データ)5)

日本人の成人HPP患者さんに対するインタビューで得られた実際の声

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階段を普通に上ることができず、一段ずつ両足を揃えてゆっくり上るのをひたすら繰り返していました。家の中の階段ですら、途中の踊り場で休憩し、両手で手すりをつかんで体を支えながら何とか上がっていました。

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指先に力が入らずボタンが留められませんでした。服を着ることはできても、腕が動かせず自分では脱げないんです。そのため、片手で履ける靴下や、着脱しやすい介護用下着に頼らざるを得ませんでした。

紹介する症例は臨床症例の一部を紹介したもので、すべての症例が同様な経過となるわけではありません。
成人HPP患者さんに対するインタビュー
(2025年12月11日実施)

倦怠感

  • 小児HPP患者さん151例に対する調査の結果、19%が倦怠感を感じていました(日本人を含む海外データ)6)
  • 成人HPP患者さん141例に対する調査の結果、23%が倦怠感を感じていました(海外データ)5)

日本人の成人HPP患者さんに対するインタビューで得られた実際の声

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体力を少しでも温存するため、外出時は常に「最短距離」を計算して動いていました。駅ではまずエレベーターの場所を調べ、買い物も店内を見て回ることは諦め、いかに体が楽に目的の場所へ行けるかだけを考えていました。

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お風呂に入ると異様に疲れてしまい、20分ほどシャワーを浴びただけで、その後2時間は寝込んでいました。湯船に浸かると自力で立ち上がれず、体を拭くのすら家族に手伝ってもらっていました。

紹介する症例は臨床症例の一部を紹介したもので、すべての症例が同様な経過となるわけではありません。
成人HPP患者さんに対するインタビュー
(2025年12月11日実施)
こちらにもHPP患者さんのインタビュー記事が掲載されています。ぜひご覧ください。
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試験概要3)

【対象】18歳未満のHPP小児患者59例

【方法】HPPに関する病歴、身体機能、健康関連QOLについて、インターネットでの調査(HIPS)および電話での調査(HOST)を実施した。

【リミテーション】HPP診断に客観性がなく、募集方法により意欲の高い患者層に偏る選択バイアスの可能性あり。対象患者数が少なく、また患者の長期記憶に頼る自己報告データのため、想起バイアスにより正確性に限界。

試験概要4)

【対象】18歳以上の小児型または成人型HPP患者125例

【方法】89例に対して、SF-12v2(12項目の健康関連調査票)を用いて、健康関連QOLについてインターネットでの調査(HIPS)をした。

36例に対して、約37項目の質問を行い、人口統計学的データ、HPPに関する病歴及び身体機能について電話での調査(HOST)をした。

【リミテーション】参加者は既存のHPP診断を根拠に招待され、診断情報は検証されていない。医療ケアやコミュニティ支援を求める重症の患者が過剰に含まれる可能性がある。回答者の自己選択によるバイアスの有無を評価できない。

試験概要5)

【対象】18歳以上の成人型HPP患者141例(酵素補充療法未治療:139例、既治療:2例)

【方法】多国籍観察的前向き研究であるHPPのグローバルレジストリで、治療前の臨床症状を調査した。

【評価方法】HPPの徴候および症状の発現頻度を記述した。

【リミテーション】多施設で行われたため、各施設での標準的な治療の違いや、患者の記憶による報告がデータの正確性に影響を与えた可能性がある。

試験概要6)

【対象】酵素補充療法既治療の18歳未満のHPP小児患者151例

【方法】多国籍観察的前向き研究であるHPPのグローバルレジストリで、治療前の臨床症状を調査した。

【評価方法】HPPの徴候および症状の発現頻度を記述した。

【リミテーション】診療記録ベースでデータ欠損や施設・重症度の差あり。HPPの症状すべてが反映されているとは限らない。症状の定義が医師の解釈によるため、データの一貫性に限界。患者の想起バイアスにより正確性に限界あり。

文献
  1. 低ホスファターゼ症診療ガイドライン作成委員会. 低ホスファターゼ症診療ガイドライン(2019年公開)(P2) http://jspe.umin.jp/medical/files/guide20190111.pdf (2026年4月確認)
  2. Rockman-Greenberg C. Pediatr Endocrinol Rev. 2013; 10(suppl 2): 380-388.
  3. Rush ET, et al. Orphanet J Rare Dis. 2019; 14(1): 201
  4. WeberTJ,et.al.Metabolism.2016;65(10):1522-30.
    本試験はAlexion Pharmacueticals, Inc. の支援を受けて実施した。
  5. Dahir KM, et al. Orphanet J Rare Dis. 2022; 17(1): 277.
    本研究はAlexion Pharmaceuticals, Inc.の支援を受けて実施した。
  6. Martos-Moreno GÁ, et al. Horm Res Paediatr. 2024; 97(3): 233–242.
    本研究はAlexion pharmaceuticals, Inc.の支援を受けて実施した。